(1)

ハンガーとはそもそも、掛ける物という意味です。
英語でHangerとなりますが、元になるHangの語源は”〜を掛ける”以外に、”〜を絞首刑にする”だの、〜を地獄へ突き落とす”だの、"Hang up!"で、”この野郎!”と、ま・・・かなり恐ろしい語源を含んでおります。そうなんです!このハンガーという曲者、おろそかにしては大変な事になります・・・

前置きはさておき(笑)・・、家の中を見渡して見るとハンガーと呼ばれている物ってたくさんありませんか?
スーツを購入した際に付いてくる物から、クリーニングで付いてくるワイヤー物など、たくさん我が家にはあります。嫁さんは洗濯に重宝しているようですが・・・
しかしこのハンガー、スーツを掛けるにはあまりにも寂しい限りで、私も以前よりプラスチック製や木製の物など、その時毎に購入して、今ではあっちこっちに掛かっております。なんとか木製の、しかも品のあるダークな木製ハンガーはないものか!?と思案しておりました。

靴には、シューキーパーまたはシュートュリーと呼ばれる物があります。
私はHPでも公開していますように、靴が事の他好きでありまして、それぞれにブランド純正物や、既製物のしっかりした木製のキーパーを使用しています。靴の値段は数万円からですが、なぜか十万前後するスーツにはプラスチック製しかも、会社から帰ってくると、適当に目に入ったハンガーに吊るしておりやした。。
これではイカン!!と奮い立ちここはイッパツ、カスタム・メイドでハンガーを注文してみようではないか!と思い立った次第です!

私の体は、事の他ごっつい体格でありまして、既製のハンガーではサイズが合いません。。一般的には肩幅42cm前後が多く、私は47cm前後あります。するとホント肩幅にあった木製ハンガーって無いんです。そこで情報集めにサイトを散策しておりましたら、Hanger-Network(中田工芸)さんというHanger製作専門の会社がヒットしました。
さっそく、メールにて切々の悩みを聞いて頂き、私の希望どおり作っていただけるか確認したところ、まったく問題なし!結論から言いますと、注文して一週間ほどで、立派なハンガーが手元に届きました。。

まず、サイズが合ってないとハンガーってどの様に違いが出るんでしょうか?
下の写真が各サイズ違いのハンガーです。ストライプ柄ですので、後身ごろの生地の流れで判断してみてください。
肩幅420mm Hanger

おそらく、いちばん一般的なサイズのハンガーと思います。肩幅が実寸サイズより6cmも小さいとご覧のように、両肩パットが落ちてしまいます。
そして両側肩部分のトップから縦方向にむけて、真っ直ぐ拠り皺が確認出来ると思います。肩部分の横方向にも皺が確認出来ます。
全体に生地が寄り合い、流れが一定でないため、季節を通して保管しておくと、いらぬ皺クセがつきかねないサイズでもあります。
肩幅480mm Hanger

スーツの実寸サイズと同寸法480mmサイズのハンガーです。肩の両側部分に変な皺は確認出来ません。しかし同寸法のHangerサイズだと、逆に突っ張り感が出て、その皺寄せが後身ごろ全体にかかり、中央部分に向けて皺がよっているのが確認出来ると思います。
これはHangerサイズが大きすぎるためであり、生地に対してもよくありません。また肩部分をサイドから見ると、Hangerの肩部分がスーツの二の腕に突起してしまう事もありますので注意が必要です。
肩幅460mm Hanger

見た感じいかがでしょうか?一番しっくりきていると思いませんか。後身ごろ全体には無理な皺や、寄せ皺が拠らず、サイドベンツにかけて真っ直ぐ生地が流れています。無理な負担を生地にかけずに、生地に対して若干の余裕をもたせてやれば季節を通してベストな常態で保管も出来ます。実寸法より1cmから2cm弱肩幅が小さいのがベストサイズのようです。
Hangerサイズが合う合わないは些細な事ですが、こんなところにも気を効かせてやればスーツにとっても有りがたい限りではないでしょうか・・
大切なモノですから、靴のキーパー同様、サイズのあったHangerを是非手に入れてみてください。できれば木製が良いでしょう。
(参考モデル) 
 GIEVES&HAWKES SAVILE ROW Selection
Chalk stripe single suit /2001 winter 肩幅480mm 


 
Custom-made Hanger