ハンプデン


HAMPDEN Watch Co, 1877sー1930s
ハンプデンといえば、鉄道時計のメーカーとしてハミルトン、ウォルサム、エルジン、イリノイと同様、質の高い懐中時計を作り出していました。とかく懐中時計の品質の目安として判断される石数ですが、ハンプデンは数あるアメリカの時計メーカの中で、1891年に初めて23石を使用した懐中時計を世に送り出したメーカーでもあります。
この懐中時計はレールロード・グレードという鉄道時計規格に沿った物です。
18サイズですので一般的な懐中時計よりは大きく、ムーブメントには21石を使用し、5ポジションでの姿勢調整を行っています。時短あわせも表にあるケースを開けて、2時位置にあるレバーを救い上げ竜頭を回す、いわゆる”剣引き剣回し”レバーセットというスタイルをとっています。
琺瑯製文字盤も視認性を考慮して、大きなローマ数字を用いています。

ハンプデンのレールロードグレードには数種類あり、レールウェイ、ニューレールウェイ、そしてスペシャルレールウェイとグレード別けされております。
これは上記のようにスペシャルレールウェイ・グレードでその性能も100年近く経過した今も変わらず、まさにグレートな動きを保ち、当時のメーカが鉄道時計に対し以下に過酷な調整を科していたかが窺い知れます。


ムーブメント

出テンプ


ムーブメントは”出テンプ”と言われる形式で見ての通り、チラネジ付きテンプがムーブメント上に出ています。古いタイプの物に多く見られます。2トーンと呼ばれるゴールドとシルバーの2色を使った物で、見た目もキレイに仕上げられ、ムーブメントを眺めているだけでも満足してしまいます。
アメリカでは数あるメーカーが鉄道時計を作り出してきました。ハンプデンはその中でややマイナーな感がありますが、おそらくブランドとして現存していないからだと思います。私は好きであります。ハンプデン!